松下アイコン訴訟判決 | 縁溜 ~えんため~

松下アイコン訴訟判決

ITmedia:ジャスト「一太郎」の販売中止を命じる 松下アイコン訴訟で判決

松下とジャストが争っていた「アイコン特許事件」で、東京地裁判決は松下の主張を認め、「一太郎」「花子」の製造販売中止と製品の廃棄を命じた。ジャストは控訴する方針で、当面の製品販売には影響はない。

問題となったのは、一太郎と花子に搭載された「ヘルプモード」機能。マウスの絵と?マークによるボタンをクリックしてヘルプモードをオンにしておくと、マウスカーソルに合わせて各機能の説明文がバルーン(吹き出し)内に表示される。ジャストによると、一太郎ではバージョン7(1996年2月発売)以降に搭載されている。

判決で、高部眞規子裁判長は、ヘルプモードをオンにするボタンが「アイコン」であり、同特許の技術的範囲に属すると認定。「同特許には進歩性がない」としたジャスト側の主張を退け、一太郎と花子の製造販売と廃棄を命じた。




このニュースまで「一太郎」と「花子」が訴訟されていることは知りませんでした。そのため、この訴訟の論点も全然把握できていない状態でした。ということで、軽く調べてみました。

参考URL
IT Pro:【続報】「当社が負ければ、世界中に問題がおよぶ」、敗訴のジャストシステムが会見

判決のポイントは、「ヘルプを示す図柄として描かれているマウスのイラストに対する解釈」(内藤理事)だ。一太郎のバージョン6までは、ヘルプの表示機能は“?”マークだけで表示されていた。だがジャストシステムによると、一太郎のバージョン7以降に出荷された両ソフトは、ヘルプを示す表示が“?”と“マウスのイラスト”になった

記事によると「バルーン・ヘルプ」という機能自体はWindowsの機能になるので、Windowsそのものが抵触することになるということで、ポイントが「アイコン」に移ったようです。

ジャストシステム側は控訴していますが、この判決が本当に執行されるとすごいことになってしまいそうです。ジャストシステムの主力製品が販売停止=企業存続の危機とかになってしまわないでしょうか?この判決も個人的には厳しすぎる気がしますが、そこはビジネスの社会ということで、原告側としては満足の判決なんでしょうね。僕としては、アイコンを変更して販売でいいと思うのですが・・・。

知的財産権が日本でも注目されてきているので、これからはさらにこういうったケースの裁判が増えていきそうです。

asahi.com:「一太郎」禁止命令 社員「寝耳に水」

徳島市川内町のジャストシステム本社は、同日午後3時ごろ、ユーザーからの問い合わせで判決が出たことを知ったという。詳しい内容が伝わらず、社員らはインターネットで情報収集にあたり、次々とかかってくる電話の対応に追われた。

これはまずいだろ・・・と思いました。社員も関心を持っておかないといけないことだし、会社側もしっかりと連絡をしておくべきです。この裁判によって被害を受けるのは自社だけでなく利用しているユーザーや株主の皆さんもなんですから・・・。

企業イメージが昔よりも重要なウエイトを占めている現代社会では、裁判による企業イメージダウンはかなりの痛手です。訴訟する側もされる側もいい印象はもたれないと思います。これから訴訟する企業は、そういう点を踏まえて慎重に行動すべきだと思います。